今日は暑かったので何とも食欲がわかない。そこで寿司でもとることにした。久しぶりに食べる握り寿司はやはりうまい。私はうにが特に好きだ。しかし、この年にもなると何でも旨い。前は光り物がどちらかというと苦手だったが、最近ではそういうことも無くなってきた。味覚に鈍感になっているのかも知れない。
若い頃に嫌いだった物が、年齢を重ねると食べられるようになると言う現象は、世間でもよく耳にするが、そういう場合、よく「年をとって、その物の旨さがわかるようになった」などという言い方をする。
経験を積んで味の理解力が上がったというわけだ。しかし科学的に言うと、この場合に起こっている事は逆らしい。若い時は、味覚をはじめとする、あらゆる感覚が鋭敏なため、ちょっとした違和感でそのものに嫌悪感を抱くようになるというのだ。
つまり、年をとって嫌いだった物が食べられるようになるという事は、それだけ味覚に鈍感になった証拠というわけだ。
子供の中にはピーマンが嫌いという場合が結構多いようだ。あの苦味が苦手ということらしい。しかし、実はこれも生物学的には正しい反応なのだそうだ。苦い物は生物にとって、毒物となる物が多いので、そういう物に対して拒否反応を示すのは当然というわけだ。
こう見てくると、年をとって、少し鈍感にならないと人間界では、旨く生きていけないらしい。正論ばかり吐いて、不正に鈍感になれないと、出世できないのとどこか似ている気もする。人間界って、何とも割り切れない世界だなと思ってしまうのである。